表参道画廊:Wakes
表参道画廊(東京・渋谷区)で、2020 年1 月20 日(月)から2 月1 日(土)まで、写真展「Wakes」を開催いたします。
本展では2 0 1 7 年、銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロンにて発表された「S e e / S e a 」から継続して撮影されている、三浦・房総という二つの半島に残された、海防のための遺構を主なモチーフする写真群の新作を発表いたします。
江戸・幕末期の砲台跡や、太平洋戦争時の洞窟陣地を巡る歩みは、現在の土地における水平的な移動とともに、大海のような深みを持つ歴史を垂直的に重ね見る、旅のようでもあります。
本展「W a k e s 」は、その軌跡を示す、現在進行形の写真群やテキストによって構成されます。
なお、会期中の2 0 2 0 年1月25日( 土) 1 8 : 0 0 より、詩人・写真評論家の倉石信乃教授をお招きしてトークイベントを開催いたします。
ご都合付きましたら是非ともお越しください。
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【展覧会詳細】
篠田優写真展「Wakes」
会期:2020 年1 月20 日(月)- 2 月1 日(土)
会場:表参道画廊
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウムB02 TEL:03-5775-2469
開廊時間:12:00 ~ 19:00*最終日17:00 まで、日曜日定休・祝祭日開廊
主催:明治大学大学院理工学研究科建築・都市学専攻総合芸術系、表参道画廊
http://www.omotesando-garo.com/link.20/shinoda.html
信濃毎日新聞 (10月、11月)
毎月第1土曜日の信濃毎日新聞に掲載される、「思索のノート 沈黙の言葉に出会う」というコーナーに、写真を掲載していただいております。本文は政治学者、中島岳志さんによるエッセイです。ご覧いただけましたら幸いです。
写真は10月と11月の連載に使用したものです。
一枚目は房総半島の平砂浦。さらさらと流れるような砂の丘が続く土地は、太平洋戦争の最中、海軍砲術学校の演習場でもありました。
二枚目は、長野県信濃美術館本館に隣接する東山魁夷館の中庭にある池、その薄氷に映る夕空です。2016年の暮れ、次の年に行われる本館のクロージング展『ネオヴィジョン 新たな広がり』に向けての下見のため美術館を訪れた冬の日に、この写真を撮りました。その後、東山魁夷館は改装を経て、今年の10月にリニューアルオープンしました。撮影後、間も無くして夜の帳が下りていくなか、私が眺めていた信濃美術館本館の建築は、いまはもうありません。
グラデーションを歩く
信濃毎日新聞 (6月、7月)
毎月第1土曜日の信濃毎日新聞に掲載される、「思索のノート 沈黙の言葉に出会う」というコーナーに、写真を掲載していただいております。本文は政治学者、中島岳志さんによるエッセイです。ご覧いただけましたら幸いです。
写真は6月と7月の連載に使用したものです。
一枚目に写る車は、富津の海岸に捨て残されていました。海岸に、打ち上げられたものか、タイヤを見つけることが良くあります。なかなか海とは短絡しがたい車という存在ですが、船を係留する器具など、港では所々にタイヤが用いられています。二つの半島の撮影を続けるうち、そうしたことも知っていきました。
二枚目は長野県、安曇野市の、白鳥飛来の池として有名な御宝殿遊水池です。この場所は写真を学び始めてから、帰省の折に触れては訪れていました。広い河川敷にはゲートボール場があり、夏に涼しい木陰から眺めるその風景をRobert Adamsの写真のようだと、どことなく無邪気に、感じていた記憶があります。