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「写真×哲学」公開シンポジウム2019

直前のお知らせとなりますが、明日の14時より、私が以前より参加している「写真×哲学」のシンポジウムが開催されます。ご興味ある方は是非ご参加ください。
 
「写真×哲学」公開シンポジウム2019
3/25(月)14時〜16時30分(開場13時30分)
会場:東京工芸大学1号館1101教室
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篠田優 個展 「text」

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2月28日(木)からAlt_Medium(東京、高田馬場)にて個展を行います。ご都合がつきましたら是非お立ち寄りください。

http://altmedium.jp/post/182729817464/篠田優個展text

 

篠田優 個展
「text」
2019年2月28日(木)〜3月12日(火)*水曜日休廊
12:00〜20:00(最終日17:00まで)

 

【お問い合わせ】
Alt_Medium
〒161-0033
東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
TEL:03-5996-8350
E-mail:inquiry@altmedium.jp

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新しく作ったピンホールのテストをしました。期限切れのインスタントフィルムを使用したのですが、その一枚目にはカブリが見られ、乳剤も劣化していたようです。

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仁寺洞(인사동)Gallery Sijacには、展示空間の裏に広い一室があり、そこに遮光したテントを設けて、暗室がわりにしていました。会期中、湿板写真の撮影から現像までを体験するワークショップが企画されていたのです。私もワークショップのテスト撮影に協力するため、ギャラリー前の通りでカメラを構えました。かぶり布の中から、ピントグラスに映る、よく晴れた街を見ていると、なにか安心感にも似たような感覚を覚えました。レンズを通過した光は、フレームによって区切られ、私にとって異国のその土地を、慣れ親しんだ「映像」へと変えたのです。「映像」である限り、街は、私に選ばれ、操作される対象としても在り得るのです。虚構であれ、一つの開口部を通じて暗い部屋から外部を見るとき、そこには、一方的に見ることへの安堵と快楽が、否定しがたく存在したように思えます。

Still image from the movie "Voice(s)"

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 昨年、長野県信濃美術館での展示に向けて写真を撮りながら、或る種の言葉について考えることが、幾度かありました。「建て替え」や「建て直し」という言葉には暗黙のうちに、その建物の本質、つまり中身は変わることなく、本来的ではない外皮のみが新陳代謝して置き変わる、といった了解が組み込まれているように思えます。長野県信濃美術館の場合にそれは、その名前と、美術館という機能が変わらなければ、建築物を取り壊した後も、それが以前と変わらずそこに在り続けているかのように捉えるということです。それは私たちが、身体の度重なる細胞の入れ替わりに対しても、個々の人物を連続的な存在として認識することにどこか似ています。そうでなければ、その度ごとに常に新しいものとして生まれ変わる世界、という恐怖に、私たちはおそらく耐えられないのでしょう。しかし、それを理解しながらも、或る形と共に失われゆく、そして、失われてしまったものを想うこともまた、私たちには手放し難いように思えます。ある時、私がそこに生きた長野県信濃美術館は、まもなく重機によって粉砕されるであろう、その壁の肌理によってこそ在り得ていたのです。私が腰かけた、窓際に置かれた椅子の位置が、或る時点の信濃美術館の存在を支えていたはずなのです。